なんで100誌も読むかねという


マンガを描くということはみんなが知っているように大変な仕事です。決して片手間で出来ることだとは思えません。そういう仕事には何であれ、全力を投じてくる人、現状に満足せず努力をして思考してより良いものを成そうとする人がいます。


どんな雑誌であろうとそこには掲載しているマンガ家がいること、それはつまり内容の貴賎に関わらず全力を傾けている人が必ずやいるだろう、ということだと考えています。世の中には単行本が出ないのが当たり前のような雑誌がいくつもあるなか、もしもそういう雑誌で頑張っている人がいるなら、報われない環境で意地になってマンガ家を続けることに意義があるのかも疑わしいような雑誌で、マニアも目を向けないおよそ作品としての内容評価が期待できない雑誌で、活字を読むよりマンガの方が何も考えず楽に時間が潰せるからというだけの消極的な理由で買われているのが存在価値であるような雑誌で、そんな雑誌にいながらそれでも手を抜けずストーリーを熟考し絵柄を練習してもっと面白いもの、もっと読み応えがあるマンガを描こうとしてしまうような不器用でマンガが好きなマンガ家がいるなら、その人の作品は同じマンガが好きな者として、絶対に、ほんとうに絶対に読み逃したくない。


そういう強迫観念に近い覚悟を持って自分はいつも見知らぬ雑誌に手を伸ばしています。もう何度もそういう雑誌でそういう素晴らしい唯一無二のマンガ家に出会ってきましたし、同じ数だけまだ見ぬ隠れたマンガ家がいると信じています。


そうして読み続けるうちに、自分が継続的に読むマンガ誌は自然と100誌を超えました。このブログは始めた頃と変わらず他の人にとって読みやすいものではないですが、でも書き手の意地や気迫やら或いは読むこと自体が目的化しかけていやしないかと自分で不安になるような、いつしか板についてしまった天邪鬼な姿勢などが自分と同じようにマンガが好きな人に伝わればいいなと思っています。


ソンナニイイハナシニナラナカッタナー。