• 地下沢中也預言者ピッピ』1巻
    • 吉祥寺のルーエにも無かったので、いよいよピッピ1巻発売は壮大な釣りなんじゃないかと考え始めてたけど紀伊国屋書店で発見。連載中から「キューに掲載していて、この話は本当に最後まで描けるのか」と内容の難しさとは別に読者を心配させてきましたが、ちゃんと単行本にしてくれてありがとうイーストプレス。確実な予言が人々にもたらす未来とはいかなるものか? という誰もが一度は考えそうなでかいテーマに真っ向から挑んだ力作です。未来を予言する話なのに読んでいて前世紀が懐かしくなるのもどうかと思ってしまうが、地下沢中也のレトロな絵柄でもって予言に翻弄される人々の苦悩を描くというミスマッチはとても凄みがありますね。でもバタフライ効果の話を持ち出して地球の未来は簡単に変わるんだというのは詭弁じみているので注意。今の状態が簡単に変わったりしないのは、既に沢山の些細なバタフライ効果によって支えられている結果だからでしょ。

作者はモーニングで描き始めたし、2巻が早く出るといいなあ。