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- 小田ゆうあ『斉藤さん』2巻
- 暗い現代社会においては子育ても漠然とした不安でいっぱい。な世の中で我が正論を貫き通す「斉藤さん」と、傍目に迷惑だと思いつつも斉藤さんの言い分に次第に動かされ、子供と二人三脚の子育てを全うしていく主人公の触れ合いストーリー。斉藤さんの反体制的ともとれる信念や、アンチである周囲の思惑・小学校受験塾や幼稚園側の主義にかなり過激な側面があるので、人によってはイデオロギー的な恐ろしい反発感を憶えるかもしれません。でも一方的な論理の押し付けに陥らず、柔軟な展開で止揚させる作者の手腕は一読の価値あり。「クリスマスに子供に高価なゲーム機を買うのはこれ如何に?」という話はとても良かった。例によって斉藤さんと主人公の両ツンデレ漫画として読むことも出来るよ。どうでもいいが朝日のコミックガイドで1巻が薦められていたときは、ちょっと南信長を見くびってたと反省しました。
- ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』8巻