■
単行本の感想は買って読んで1日に1冊書くのがあらゆる意味で良いと思ってるんだけど、どうしてもたまってしまう。
- 曜名『花婿の条件』
- 自分がいかに宙出版ハーレクインコミックファンとはいえ、マンガ好きな人がこの雑誌で読める作家はかなり絞られます。骨格のとれた人物を綺麗に描く篠崎佳久子、割と記号化の進んだところで量産力のある橋本多佳子、そして今作の曜名が群を抜いて、ハーレクインの題材で「マンガ」が描ける人です。デフォルメとギャグ描写の上手さが、ロマンスムード全開の原作を保ちながら見事にマンガらしい可愛く楽しい作品に仕立てています。特にこの「花嫁の条件」は既刊単行本の中でも相性が良いようで、型どおりな単行本デザインの中にも裏表紙で遊び心あるカットを入れているのが素敵でした。
- 都留泰作『ナチュン』2巻
- 各話間の「その他大勢図鑑」が萌え。ゲーム風に言うと、“ある日突然、あなたに12人もの漁師ができたらどうしますか? それも……とびっきりゴツくてとびっきり肌が汚くてとびっきり皺が深くてとびっきりの大酒のみ。 しかも、そのうえ・・・・ 彼らはみんなみんな、とびっきり! ニィニィのコトが大好きなんです!”
- 桃森ミヨシ『悪魔のラブソング』1巻
- 桃山あんず『キャッスルかごめ荘』
- りぼん連載の単行本を買うのは加々見絵里『生物彗星WoO』に続いて2冊目です。夏休み増刊の「りぼんスペシャル」に載ってた読みきりで興味を持って読んでみたら予想以上に面白かった。表題作はアパート・大家・群像劇として、読者層よりちょっと欲張って情報過多になっているけれど、もう1つの「仁向湯ラプソディ」はりぼんでここまでまとまったものが描けるのかと正直驚いた。舞台は商店街、主人公は銭湯の娘、最近出来たスパリゾート施設とテレビの宣伝権を争って呼び込み対決、それなんてふじもとゆうき? という話なんだが、ミケやクロより更に幼い主人公達の行動がちゃんと展開にのって描けているのが凄い。子供の発想が無力であるとか大人にも上に認められなきゃならない苦労があるとか、そんなのりぼん読者は知らなくたっていいだろうに・・・ていうかチグリス・ユーフラテス川なんてギャグに使うのは危険だろうに・・・普通に楽しめてしまった、児童向けだと感じないまま。[rakuten:book:12056093:detail]
難を言えば収録作にはどちらも親が出てこない(祖父や祖母が見守っている)ので、なんだかユートピアな臭いもします。まありぼんでそんな現実的な固いこと言うのは無粋なのかも知れないが・・・描ける人なんだからやはり読んでみたい。
やたら褒めてるけど「りぼん」読者じゃないので、これからりぼんも読まないと・・・