• かぢばあたる『御剣ハルカ危機一髪!』1巻
    • “リョナニーは全年齢対象に限るネ!”でおなじみのコミックヴァルキリー。創刊当時に、この雑誌が14ヶ月を過ぎてなお存続し、あまつさえコミックスにドラマCD付き限定版まで出しているという現状を予見していた人は何人いたでしょうか。『御剣ハルカ危機一髪!』は各話の終わりに次回の分岐をつけ、読者はがきでの希望に応じてストーリーを展開していくという実にInteractiveでSamuraiGirlな新感覚フタエノキワミゲームブック風マンガです。ミツルギなので。自身がKarateのブラックベルトを持ち、ゼルダなどのコミカライズでその経験を生かしてきた玄人の作者さん*1。そんな人が上記のようにハイセンスな仕事をテラカオスな雑誌で受け持つのがどういうことか、というのは以前「コミック誌123選改訂版」で書いたコメントがそのまま当てはまるので、まるっと引用します。

掲載作家の経験不足のため動きで魅せない闘うヒロイン達の中、かぢば先生の殺陣は冴えてます。読者アンケートで次号の展開を決めるという不安なこの企画も、画力があってヒロインがやられる過程がちゃんと描ければこそ。ただ、描写が上手いため何話も連続でいたぶられるとヒロインが完璧に再起不能になりそうで心配です。

    • 正直こんなイロモノが初オリジナルでしかも評判としても一番かとなると、やるせない気分になるファンが多い気も。とはいえ「自分で言うのもナンだけど、ヘンなマンガだなぁ。」と言いつつも雑誌のコンセプトにきっちり合わせてて、アクションの場面だけでなくツッコミどころ満載の超展開の意味でも面白いことになっているのは、キャリアの人なんだなあと感じました。良し悪しはさておき作者とこの企画の相性はかなり良いモノになっていると思うので、ヴァルキリー編集部側が全部狙い通りならすごい。

こんなイロモノ雑誌も網羅した「コミック誌123選改訂版」は、まんだらけタコシェ通販などで絶賛発売中ですよ!(決まり文句) ちなみにメロンブックス委託はおかげさまで売り切れ終了しました。

*1:ティアズマガジンVOL.58 Push&Reviewより