チョイスが卯月四郎さんのまねっこになってしまいました。

  • あきづき空太 『赤髪の白雪姫』1巻 (花とゆめCOMICS)
    • 「他人の筆で描かれたくない」 その稀少な赤髪を手元に置きたいから、と自国のバカ王子の愛妾になることを持ちかけられた娘・白雪。束縛されるより辛くとも自分の道を行くことを選び、逆らえぬ誘いを断るために彼女は隣国への脱出を図る。途中の森で出会った少年ゼンはやけに親身になってくれるが彼の正体は・・・? というお話。
    • LaLaDX、ラッキーカラーは赤、といえばふじつか雪のはずなのに・・・というのはおいといて。“こんな新人、いない!! 今あなたは少女漫画の最先端を目撃する…!!” という帯の文句もやりすぎですが、確かにちょっと特徴的な人ではあります。恋の相手であるはずのゼン(隣国王子)の第一印象からしてヒロインは「上から物言う人間が多い やかましいな……」。他人から一歩離れた関係をとろうという意思がヒロインの言動の端々から滲んでいるのがややひっかかる感じ。しかし大人びて自立的な姿勢が魅力にもなっていて、時折見せるまっすぐな想いは見ていてこそばゆいような味わいがイイ。1巻では2人の仲は節度が全てみたいなもんですが、これが進展していくのもなかなか面白そうです。あーこういうのツンデレって言うんだっけ(ツッコミ待ち)。
    • あきづき空太の名前をはじめて知ったのは今は亡きマンガ評論サイト「書斎の住人」でした。05年短編20選の2位「狐とアトリ」をおさえての1位があきづき空太「冬ほどき」だったのを憶えてます(作品は未読)。ちなみに4位は今をときめくヤマシタトモコの「ねこぜの夜明け前」。この辺りの趣味の被り具合が本当に大好きだったんだがなあ。
  • 武田日向 『異国迷路のクロワーゼ』1巻(角川コミックス ドラゴンJr.)
    • 19世紀後半、鎖国を解かれたばかりの日本は長崎から、主人公湯音(ユネ)はジャポニズムが流行していたパリへ「奉公」にやって来た。場所はパリ下町の商店街「ロアの歩廊」にある傾きかけた工芸店。人当たりの厳しい若店主クロード、鷹揚な彼の祖父オスカーと共に働きながら、ユネが異なる文化を戸惑いつつも乗り越えていくパリ滞在記(単行本のあらすじから改変)。
    • ドラゴンエイジPureから『狐とアトリ』に次ぐ武田日向の単行本2冊目。主人公が可愛いのも色使いが見事なのもありますが、みどころは緻密かつ繊細の粋を極めた服飾と背景、工芸品の数々でしょう。作者にぴったりの話だ・・・というのは『狐とアトリ』の感想と全く一緒ですが。舞台が日本なら純情な高円寺だったりキラメキ☆銀河町になるわけですが、パリはパサージュ最高というのに尽きますね。最もマンガの中では passages の単語は出てこなかったけど。ストーリーの方も後半が盛り上がりを見せていて良かった。あとカバー下の装丁も伸童舎グッジョブなので見てみよう。