新年だしちょっとチャレンジ精神を興して普段マンガしか読まない人がラノベとか大衆小説に手を伸ばしてみたけど、世の中そんな甘かないよなあと実感しました。


最近読んだ本

  • 斜陽
    • 文学少女の影響で集英社文庫本体324円。読みやすく大きな字で200ページと少し、「隅田川」「守銭奴」なんてのまで脚注つけて対象読者層は中学生くらいなんだろうか。太宰はほんとに横文字好きだなあ。敗戦で没落していく華族の雰囲気って全然感じられなかったけど、マイ・チャイルドとか鬱陶しいくらいの手紙は、らしくてよかった。でも遠子先輩が言う「太陽が力強く輝きながら空へ昇ってゆくような」分かりやすい解決ではないと思う。
  • バカとテストと召還獣 1巻
    • 最初のカラーマンガと、10問×見開き2ページが面白かったです。面白い解答を作ってくれてありがとう。何も作らなかったらもっと感謝出来たのに。
  • 少女には向かない職業
    • 作者名とあらすじに、完全に釣られました。↑はマジになってはいけないおバカですが、これは口語文体がマシなだけで少女とか全く描けてないのに雰囲気が文学気取ってて殺意を覚えました。著作の中でも1,2を誇る駄作を引いてしまったのだと思う。もう読まないけど、『私の男』か『ブルースカイ』を読むべきだった。
  • ばいばい、アース 1巻
    • 前に桜庭一樹の『荒野の恋』を読んだとき、冲方丁の『マルドゥック・スクランブル』を読んだとき、どちらもそこそこ面白かったけど続きはいいやって思ったんですが、冲方先生はもう1作読んでも印象が悪くなりませんでした。が、英語ネタに付き合うのが疲れるので続巻は気が向いたら。
  • ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド
    • 緒方先生が真っ当な絵柄になっていて驚きました。新作の度に弱小勢力と造語が増えていくのは何ともしがたいが、能力バトルも描いてるし、「人を喰うもの」に近い話だったのでファンは十分楽しめました。でも面白い設定だったのに上遠野先生ならもう少し上手く見せられたんじゃないかなあ。
  • モノケロスの魔杖は穿つ 1巻
    • 1章を読み終える前に発狂しそうだったので読むのを断念しましたが、笙野頼子の『金毘羅』は10ページ進める前にウザ過ぎて投げたので、それよりは面白いのだと思います。
  • 世界屠畜紀行
    • 結構前から気になってた1冊。もうちょっと総論的な著者の意見が前に出てても良かったと思うけど、屠殺・屠畜に対する自分の受け止め方を再考するいい機会になりました。一番面白かったのは牛の解体。

円環少女 1巻


今回色々読んで唯一の当たり。
人間観がしっかりしているというか、醜い側面を大事に描こうとしてるように感じました。
それも描ききれてる訳ではないし能力バトルもツッコみたい超展開が目立ちましたが、筆の勢いで説得力を押し切る文章の流れがとても心地よかったです。

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    相似体系魔法は射影空間に似てそう。

注意点

  • ネタみたいな書き方をしてますが、もう3巻まで買いました。



というわけで素直に楽しめる作品もあったので決して自分の趣味が狭すぎるのではないと思いたいが、しかしいまさらイチから掘り当てて行くのは苦痛の方が多そうなので年に1度くらいこうして足を突っ込むのに留めておきたい。