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- いけだたかし 『ささめきこと』1巻(MFコミックス アライブシリーズ)
- 原尾有美子と混同してた。1話:王道。かなり直球な展開だが、過不足の無いきれいな話でしたまる。 2話:王道的変化球。途中まで1話と同じ流れだったけれど、鮮やかに曲がってくれましたまる。3話以降:オタクネタ的余計な要素が増えてきてつらかったです。バナナとか。連作にせず登場人物固定で続けるとアライブ誌上ではこういう形になってしまうのは仕方ないのか・・・
- 坂木原レム 『モンスターキネマトグラフ (リュウコミックス)』
- 人妻(未婚)は可愛い。しかし興奮すると怪獣になる人妻(未婚)はもっと可愛い、という話。あとがきではむしろ官僚眼鏡が可愛いということでしたが・・・。政府の管理下におかれたかつての大戦兵器・人妻怪獣のアイデンティティ(未婚)を描いてると思うんですが、全体を通して葛藤すべき細かい描写が甘く感じました。表題にあるように怪獣映画のアクター(未婚)として第2の人生を歩みはじめた彼女に対し、コストがかかるからやっぱり撮影のきぐるみと縮尺セットで代用しようという流れは不幸な話(未婚)ではないのか。
- 堤抄子 『エスペリダス・オード』2巻(IDコミックス REXコミックス)
- 他民族による支配からの脱却を目指す話を侵略国家・簒奪者の立場から描くというのは時々ありますが※、今作はただでさえ分の悪い主人公がさらに平和な世界に育ったニュージェネレーションゆとり代表、対する魔族の王は泥水をすすってきた正統派ダークヒーロー。無血の革命という理想に与せず暴力を真正面から振るう、虐げられてきた魔王エルハイアの論理のなんと眩しいことか。善悪のお決まり立場が入れ替わりかねない設定で先が見えません。にわかファンなのであまり知ったかは出来ないけど、堤先生のマンガのメッセージ性は本当に高いなあ。しかし1巻同様、表紙は地味目だね伸童舎にしちゃあ・・・
- ヤマシタトモコ 『恋の心に黒い羽根』(MARBLE COMICS)
- 東京漫画社のカタログシリーズとBGM掲載作の短編集。ヤマシタトモコは他に『くいもの処明楽』と『タッチ・ミー・アゲイン』が出てますが、新刊の度に面白くなってるなあと思いました(前者の感想はこっち、後者は2つ前に書いたので省略)。BE BOY GOLDの方より理屈っぽい感じがスキです。担当編集さんよくやった。基本的に暗いトーンでアンハッピー、その雰囲気のままちょっと星が光るのが美しい。作品への愛が深いのもいいですねー。ただ、何万回のこれこれが俺の心をどうのというのはヤマシタトモコのスタイルの1つだと思いますが、でもちょっと乱用かな・・・そのうち遺恨無いハッピーエンドも見てみたいです。追記:Daria07年8月号の「ジュテーム、カフェ・ノワール」なんかはそれに近いかな