• 桜井美音子 『君の物語僕の物語』1〜3巻(宙出版 エメラルドコミックス)
    • 前に感想を書いた『星のやくそく』以来の桜井先生。バツイチの天然系王子様なホスト(四十路越え)が愛の伝道師になって人々の心の隙間を埋める連作集。主人公の王子様(呼称。本名筒井英之コブ付き42歳永遠の若作り)が愚直かつ幼稚な語り口で愛を説くんですが、これが実に染みるんですね。平明でバカだからこそ本質を突いていて、浮世離れした臭い理想論が何故か笑い飛ばせない。キャラクター作りの妙とも言えるけど、やっぱり物語として綺麗です。タイプとしては『ラブロマ』とよく似ている・・・と言わない方がいいかもしれないけど。
    • 連載してた「Special AYA」なんて中身の3割は裸相撲みたいな濃い雑誌なんですが、童話的な安らぎに近いハッピーエンドで幸せな気分になれるいいマンガです。残念なことに売れ行きは今ひとつで後が続かなかったみたいだけど、桜井先生はまだ読んでない単行本も多いので探さないとなあ。「愛の体験Specialデラックス」も今の路線変更はマンガ誌としてはアリ(マイナー誌好きとしては×)なのだが、桜井先生の連載を切るというのは間違い。今後は「TABOO」の方もちゃんと読もう。