• コナリミサト 『ヘチマミルク』1巻(宝島社 ワンダーランドコミックス)
    • 貧乏・バカ・オトコを見る目ナシと三拍子揃ったヒロイン21歳が、アパートの住人に世話焼かれたりバイト先のヘアサロンで王子様を見出してつっ走る話。アパートがヘチマ荘、サロンがミルクパンチなので「ヘチマミルク」。
    • 自分の中でコナリミサトというと、太田エロティクスで微妙な短編描いて、宙出版easeでも描いて、フィールヤングで描いて、マリカで描いて。正直ここまで来歴追えてるのがおかしいが、どれも「微妙」止まりな作品だったのに、それっぽくモノに仕立てたCUTiEは凄いなあ。あんまり褒めてないですが、今までノリの軽さが内容の薄っぺらさにつながっていたところを、見事に回避して「これはこれでリアルで共感可能なんだよほら」と押し切ってる。クセも粗も強い作風を全部ひっくるめてそのままOKな持ち味に転化してる。他ではパッとしない人だと思っていたが、これを読むと今が旬の瑞々しい感性持っているんだなと分かって面白かったです。これがハチクロの宝島社の実力か。
  • 岩本ナオ 『雨無村役場産業課兼観光係』1巻(小学館 フラワーコミックスα)
    • 地元ど田舎に地方公務員として戻ってきた主人公とその仲間が3人で、おかしな三角関係を築きながら村の活性化のために奔走する話。
    • 目眉口鼻とシンプルな造形でシンプルな表情のシンプルなアップを見続けて、岩本ナオは絵が上手いという認識に少し自信をなくしました。が、「町でうわさの天狗の子」を読んでイライラしていた平坦さが、この単行本では気になりませんでした。何度も読み返してます。こののどかな雰囲気、悪くないよ! 大コマの気合の無さも、逆に新鮮でイケてるよ! でもあとがきの後ろ向きさは、甘ゆんなと言いたいかも。単行本がこんなにはやく出るなんて、なかなか望めない良い処遇じゃないですか。
  • サトーユキエ 『ノーバディクライ』(集英社 りぼんマスコットコミックス)
    • ノーチェック・・・ではなくてCookieやCookieBOXで読んだ記憶はあるが、あまり気に留めてませんでした。表題作+他3作の短編集なんですが、まとめて比べるとちょっとこれ尋常じゃないねー。4作どれも絵柄を変えてくる器用さがおかしい。色々と達者なセンスが暴発してる様子がやばくて、読んでてかなり興奮しました。Cookieの連載とか普通にスルーしてたので大後悔。まともなこと何も書いてないですが、冷静になれないんでとりあえず単行本読んだことだけ記しておく。