ラノ漫ロングインタビュー

・10万部売れない作家  の辺りは本心なんだろうが、意識的に作った受け答えをしているように思う。イメージコントロール
それはさておき、この売らんかな上昇志向はフリーのマンガ編集者の典型なのかな。典型というほど同じ立場の人はいないだろうけど。「おれせん」の人もコメントしてるけど、マンガ側からのメディアミックス展開を鬼のように仕掛ける角川エースの方針と同じなのか違うのか、興味深いところ。最後の方で消極的に触れているけれど、フリーで動きやすい・単発で使われやすい特性なんだからこそ、多少ムリしても採算度外視の企画をやって欲しい。そういうのこそクリエイターとしてカッコいいんじゃないでしょうか。監督業の頂点はやはり雑誌作りをする編集長なんだし。というか雑誌作りに関わらないから、雑誌で面白いマンガは20作中せいぜい3つなんて怖いことが言えちゃうのか。


残りの17作を(単体ではともかく)雑誌の中でそれなりに見られる形に仕立ててしまうのが、編集者の編集者たる所以の一つかと素人は考えたい。マンガ家より編集を責めたがるのもその裏返しですよね。マンガがつまらないのはマンガ家のせいでも、OKを出して載せるのは編集者。才能が無いマンガ家を雇った会社方針に沿って、結果を出す義務が編集者にはあるわけで。物理的限界もあるから「他にやりようがあっただろ」と思うとき以外は自分は基本的に叩かないけれど、つまらないのはその人たちが真にマンガ家じゃないから、なんてのは都合の良い言い逃れにしか聞こえない。といっても多摩坂氏については、フリーなので正にその辺のしがらみをカンケーない顔してても許されるところかも。余計なこと言わずに自分の担当作品には一般以上の責任を持ってくれるのなら。


インタビュアーの相槌はもう少し突っ込んでほしかった。