2008年のマンガランキング(1/11)についての解説その2


その1は1/31に書きました。


ていうか既にその1で何書いたか忘れかけてますが・・・
順に見ていきます。


1位  放課後ウインド・オーケストラ  (宇佐悠一郎

  • いきなりこういうことを言うとアレですが、08年は前の年ほど胸を張って「1位に据えたい!」と思える作品が挙げられませんでした。TMRの会誌の方に書いたけど、1位「ベル☆スタア強盗団」、2位「騎崎サブゼロ作品集 世縒りゆび」で以降続く。とすれば面白かったものの順番としては正直なところ。そうしないのは自分のワガママみたいなもので、ランキングとして懐古はしたくないとか、敢えてコイツをランクインさせてコイツを除外することを察してくれ(言わなきゃわかんねーよ)という主張が渦巻いた結果です。
  • で、内容的に気持ちよく1位にしたい作品が無い中でどうすれば自分で納得できるだろうかと悩んだ挙句、「放課後ウインド・オーケストラ」になりました。自分も中高では管弦楽部に所属していて、このマンガ読むとその頃どう楽しかったのかが思い起こされてたむらんなあ。完全に私情を優先して開き直ってしまえば論理武装になるだろう、という企み。
  • 既に連載の方では作画時間不足感が如実に出ていてハラハラしますが、現時点での単行本収録部分までは素晴らしい。特にパーカッション野郎共の話は間違いなく08年で最も感動した展開。どう考えても最終回レベルの告白なのに、脇役が脇役に言うセリフだとかおかしいよう。今後更なる名台詞が出てくるなんて想像できない。要するに、「今までの内容は最高だけれど、将来的にもっと凄くなれるのか微妙」というのがこの作品を1位に推すネックでした。

2位  ファンタズム  (雨隠ギド

  • デビューは08年より前なんだっけか・・・ギド先生は単行本を読むまで「絵が上手い新人」という以上の認識をしてませんでした。「ファンタズム」も探偵社の設定があまり生きてないこと、関東大震災の出し方が唐突で時代性の描写が中途半端になっていることなど気になったけれど、からすにヒロインが呑まれた時の心理描写(というか1コマ)が凄かった。表現に幅が持てる人なんだなと、ガツンとやられました。カタルシスへ持っていくテンポの良さもかなりのものだと思います。映像美と言っていい。最近の代表的な新人というと自分の中では雨隠ギド釣巻和の2人なのですが、私はギドせんせの人の方が頭で考えている部分が多いと思うので好きです。ウィングスは清涼感のある絵柄なら多少の不出来は目がつむれてしまう雑誌だと捉えてたけど、良い反例だった。
  • と思いきや現在連載中の「まぼろしにふれてよ」は悪い意味でウィングス臭が先行していて微妙だ。

3位  ポラリスまでの距離  (テラシマ)

  • BLは入れても10位以下かなと考えていたけど、1位が第1巻、2位が単巻なので次は完結巻からと選んだらこうなった(4〜6位も偶然そんな感じに)。親子レベルでの年の差というダイハードをよくぞまとめてくれたと感激。前巻の「ポラリスベル」と合わせると、最終話の他に第2話も凝っていて大好きです。身体接触は非常に薄い作風なので一般向けの間口は広そう。後は画面が白めなのと、「女顔」というストライクゾーンは狭くて不利だよなあ、とか最新作の載ってる「Cab」を読んで思った。東京漫画社もカタログシリーズとBGMが統合になって、なかなか安心できませんが。

4位  携帯寓話  (久米田夏緒

  • ボクラノキセキ」1巻重版おめでとうございます。メジャーになる人じゃなさそうだけど、個人的には最近の新人のなかで一番ファンだなー、とか考えてこの順位に入れたんですが、こうなると勇み足だったかしらんという気も。1年あとに入れても良かったか? 「携帯寓話」については過去に言及しているのであまり付け加えることはないです。女子高生はいいものだ・・・特に女子高生に近い(近そうな)人が描いているのはいい・・・。「ボクラノキセキ」は読みきりのときから気にしてたので、連載化されたと知って嬉しかったです。メジャーになるかどうかはともかく、大事に育てられていって中堅以上になって欲しいなあ。いや単行本は3冊出してるし、もう中堅なのか? とにかく応援してます。

5位  おまかせ精霊  (青本もあ

  • 完結作。ああそういう構想があったんだ・・・でも描く余地は・・・みたいな。泣ける。コミティア同人でのイメージからすると180度逆方向の作風なんですよね。「おまかせ精霊」も、描きたかったことのエッセンスだけをギリギリ最後に盛り込めた感があって、本当はもっと毒の強い萌の弱い話がしたいんでないかといつも思ってしまう。まあ作者が楽しければいいんだけど・・・REDいちごの「ガレキに華を」はそういう意味では合ってるはずだし・・・でも「ノロマジョ」は・・・みたいな。完結に至るまで色々葛藤があったろうなと勝手に思いを馳せて高い順位になりました。

6位  くおんの森  (釣巻和

  • 紙魚」というものを知らなかった、と単行本の後書きにあって、こんだけ世界観持ってる人が何を仰るカマトトさんとそのときは思ったんですが、20代前半ならそりゃそうかもしれんわ。その年齢でこれが描けるというのが既にチートだけど。そーとー引き出しが多いか、滅茶苦茶妄想が得意かでいうと後者の人だと思います。雨隠ギドの方が好きと上で書いたけれど、釣巻先生は感性ぶっつけで勝負しているところが大きいように感じる。「くおんの森」はその土俵で完全にほしいままですが、good!アフタヌーンの方の「水面座高校文化祭」は第1話がやたら読みにくかった印象が強いです。リュウの編集が偉い。同じようにほっぽっておいて大丈夫かなあ。今後この芸風でどんどん作品を重ねていくとなると、まだちょっと手放しで褒めるには、という気がしたので順位は下方修正。

7位  ネイチャージモン  (原作/寺門ジモン 漫画/刃森尊

  • 少し前に別のところでも「この作品は奇跡のコラボだよ」ということを書いたんですが、寺門ジモンというホモサピエンスから異なる進化を遂げた種に目を付けて、普通人であるコマツ編集をいじられ役に置く。その状況でのボケ・ツッコミがこの作品の面白さだと思います。それだけでもう色々おかしいのに、更にそのやり取りを手がけるのが、ヘタレと狂犬の描き分けを得意とする刃森尊というので超仕上がってる。レポートマンガなんてページ埋め草と思えばいくらでも手が抜けるのに、企画・作画・編集者参加と三拍子揃って成功させて強烈なインパクト出しちゃってるのが尋常じゃないと思います。あと順位的には上の方がオシャレ過多な気がしたので、汗臭い作品をちょっとなすっておきたかった気持ちがあったような(「危さん」も同様)。

8位  危さん  (どれえじゃっきぃ

  • 08年は「お姉がイイっ!」も発売されたし、もっとこうしたギャグ路線でぶちかましていって欲しいと思いランキングに。ギャグ表現でも結構極北に迫ってると思うよ。最近までちゃんと読んだことが無かったのですが、この作者の中では輪姦陵辱とアホラブコメとがどのように共存しているのか未だに掴めません。

9位  冷食捜査官  (とり・みき

  • 「営業の牧田です」が終わったあとのモーニングを読む動機になっていたのがコレ。とり・みきの作品を全部集める気なんてさらさら無いが、冷食捜査官シリーズはコミックキューの頃に知って気に入ってた話。「ダイホンヤ」を以前読んだときも思ったけど、とり・みきの描く夜空は個人的にかなりツボです。

10位  タンゴの男  (岡田屋鉄蔵)

  • 岡田屋鉄蔵は宙出版の「メロメロ」創刊号にて今作でデビューした(多分)BLの新人さん。タンゴを巡る人間の生き様を描いた物語の力強さは既にプロの貫禄があり、作者の熱意が感じられます。メロメロはこの作品の単行本まで漕ぎ着けたというだけで、十分な意義があったと個人的には思います。作品の内容は、合わせて読みたい:「百年の孤独」 てカンジ。惜しむらくは、手書き文字が私たんフォントになっていて妙に安っぽい違和感があることと、物語と人物の魅力に比べて背景が残念なこと、何より「俺たちのタンゴはこれからだ・・・!」というクライマックスで終わってバッサリってことでしょうか。勿体無すぎる。
  • 作者も続編を考えていたみたいですが、どうも雑誌本体の方がゴタゴタしてるみたい。メロメロレーベルの単行本も今のうちに買っておいた方がいいよ! まあ最近のBL業界は実力と話題性のある作家はすぐタカられるわけで、岡田屋先生も多分にもれずリブレがツバつけてるし、未収録分についてはそんなに心配していないですけど。何にしても「描きたいもの」がでっかく明確にある人だと思うので、ブレの無い丁寧な仕事を今後も期待します。

11位  もうきみを愛していない  (原田梨花

  • 08年に創刊した扶桑社の「マリカ」連載作。ランキング作成時は単行本化未定でしたが、ついこないだに文庫にまとまりました。なので後悔しています。もしお蔵入りになるなら今しか載せる機会は無い、という危機感でランクインさせたわけですが、裏を返せば必ずや単行本化するだろうと信じる勇気が足りなかった。ほんの少し待つことが出来なかったな・・・ランキングに入れないことで希望を態度として示したかったな・・・とかなんとか。マジで。
  • 猫十字社の「泡と兎と首飾り」もマリカ掲載作がばっちり載ってるし、マリカは休刊後の動きが思った以上にスムーズだなあという気がします。原田梨花はサクラミステリーで描いていたシリーズも文庫にまとまり、そっちは読んでいなかったので二重に嬉しかったです。今ランキングに入れるとすると「宵之草子」の方かな。グリーンアロー(Bbmfマガジン)と扶桑社の関係も気になるところ。

12位  とろける鉄工所  (野村宗弘

  • ショートギャグで前年度は「聖おにいさん」を入れたし、じゃあ今年はコレかと思ってランクイン。こういう作品ははじめのうちは楽しいけど、長く続くとどうしてもね。今やgood!アフタヌーンの広告塔として便利な存在だから潰しは利いているものの、担当編集の絡みとかフックを強調していった分だけ動きにくくなっているような。そこへいくとDMCなんてよく続いているなあと思います。

13位  トクボウ朝倉草平  (高橋秀武

  • 長いこと垢抜けない増刊の立ち位置にいたひでぶ先生の巻き返しとなった一作。社会正義と問題意識の高さを段々と変化球に隠していったところで、最近の傾向とうまくマッチしたのがこの配分だったんじゃないかと思ってます。前作である「妖怪人間ベム」とか「野獣は眠らず」も決して直球一本だったわけではないけど、読者としてはこっちの方が親切だし楽しみやすい。しかし最近はシリアスになっちゃったので、やっぱりサガには逆らえないなーというかこれまでも扱ってる事項としては大真面目だよなーそうなると連載を続けるにあたっては避けて通れないってことかなー、とつらつら。戦争の民営化や警備会社ののし上がりって最近の時事問題という気がしますがどうでしょう。

14位  恋のまんなか  (松本ミーコハウス)

  • ランキングに入れたBL3つ目。元々、御徒町鳩の「腐女子っス!」を入れるつもりでした。「恋のまんなか」はランキングの提出締め切り丁度が発売日で、本来なら間際の作品をランクインさせるのはちょっと安易なところ。無理して乗り換えたのは、1.前年度に刊行された「象の背中〜秘密〜」を、映画原作なんてつまらないだろと完全スルーしてしまっていたので、松本☆売名乙☆ミーコハウス名義なら初単行本だし格好がつくということで 2.ウィングス周辺からごっそりと作家を引き抜いていい顔してる電撃シルフがあまり好きになれなかったから という理由ですかね。一応言っておくと売名行為が盛んなのは御徒町先生の方。
  • この人のマンガには、物凄く自然体で描いていて達観した、もしくは捨て鉢な雰囲気が滲んでいるように思います。もっと下品な言い方をすると、若くしてOL辞めて先の見えないマンガ家になった人のある種の覚悟を感じる。独特な人です。あと「象の背中」もそうなんですが、マンガでは珍しく知的エリートが主人公でしかも普通にデキる人達なので、作者は高学歴萌えなのかとよく邪推します。最新刊の「みどりのまきば」も来るか来るかと思ってたらやっぱり頭でっかちお受験ボーイが出てきて興奮した。

15位  空色動画  (片山ユキヲ

  • この作品と「ハックス!」は共に講談社でアニメ制作を扱ったマンガということで、比較して選びました。ハックスはヒロインのみよしが、アニメってわくわくしてなんだかすごい、触発されるという主旨のことを盛んに言ってたけど、周囲はというと技術屋の美少年がなんだか斜め上から目線で手伝ってくれてるだけだった。実際にありえんくらい周囲を巻き込んでわくわく感を行動に移していたのは「空色動画」の方だったと思います。あと文化祭編がとても良い第一部完だったこと(海外編はスケールに対して提供するネタが弱かった)と、最近のアフタヌーンが低調に感じられたことが選択理由。

16位  ヘチマミルク  (コナリミサト)

  • どういう作品かというのは1巻の感想で。CUTiEは読んでなかったので、ランキングの中では珍しく「ジャケ買い」した単行本になります。作者名は知ってたけど。若さというか才能というか雑誌との相性というか、まさに今が旬の作品。特徴を上手く捉えてモノにした宝島社は凄いという意図で入れました。ということは裏を返せば、作者・作品としてそれほど評価していたわけではないんですが、先日出たばかりの3巻を読んだらやっぱり良く出来てるのかなと。厳密には違うけど、スイーツ脱落女子がデキるスイーツを目指す話なので、その手の単語に反応する人は読んでみたらいいと思います。多分祥伝社の方の読者が読んだら「リアル(笑)」と拒否反応出そうだけど、前の感想でも触れたようにそういう薄っぺらさもひっくるめて何だか読ませる話になっているのが良い作品です。
  • あと、大したことじゃないですが05年のCUTiEマンガオーディション受賞でデビューというのは嘘です。

17位  トラウマイスタ  (中山敦支

  • 巻末コメントを見ていると最近はサンデーのトップニヒリストという立ち位置に固まってる気がしますが、演技じゃないかなあと思ってます。掲載位置がワーストに近いのもわざとじゃないかなあ。昔「アストラルエンジン」が打ち切られたときは「くやしいです。また戻ってきます」(うろ覚え)とコメントしてた人なので、根は前向きなのが中山敦支先生の本質だと私は信じています。ブログ見ててもそんな感じするけど。周りと感想を交わすと「スジャータ爆発して面白かった」という結論に達しちゃうのがアレだが、確かにその前やっていた勇気の剣の試練はベタにサンデー臭くて白けてたわ。爆発してからは雑誌の柱も楽しくなってきたわ。今ランキング作ったらもう少し順位が上がりそう。やっぱり小学生が怖がりそうなトラウマをどんどん作っていって欲しいです。後は今の展開が迷走ではなく予定通りなことを祈るだけ。

18位  スイート10 スイートHOME  (ひなた)(Judy2008年10月休刊号掲載読みきり)

  • Judyから選んだ理由、Judyの中でひなた先生を選んだ理由というのは前に述べたとおり。この作品は休刊号掲載の読みきりです。ひなた先生はJudy休刊後はプチコミック方面で作品発表するようになったようです。これからも読み続けていきたいです。

19位  ルート225  (原作/藤野千夜 漫画/志村貴子

  • 将国のアルタイル」の発表媒体であることが今のシリウスの存在意義、というのに疑問の余地はない(少なくとも自分は)わけですが、最近はめっきり揮わない志村先生の素敵な一面を「ルート225」は思い出させてくれて、シリウスは良い仕事をしたと思います。まあ、「青い花」も「放浪息子」も自分の中でどうでもよくなってきているので、ひねくれているだけですけど。「敷居の住人」の頃の物寂しい雰囲気が出ていたし、原作のアレンジも結構楽しめました。感想も書いた。単体としてはそんなに凄い内容ではないです。藤野千夜の作品は他も読んでみる。

20位  恋はトラブルのあとに  (原作/リズ・フィールディング 著者/桜屋響)

  • メインストリームではないので話題になりませんが、年末には宙出版の一大ジャンルであったハーレクインコミックにおいて、「ハーレクイン」という名称を使う契約が切れるという事件がありました。その名称は今まで「HQcomic」だった本家ハーレクインが名乗りを上げ、宙出版の方は誌名を「ハーモニィ」に変更。これまでマンガの人気は本家を上回ってきた宙出版ハーレクインだが、新規ブランド立ち上げを余儀なくされてどうなる? というのが注目されています。つうことで、新生宙出版ハーレで頑張って欲しい人として、新人の桜屋先生の単行本第2弾にして会心の出来である今作を紹介しました。ハーレクインのファンで好きが高じてコミカライズを手がける側に回ったという、なかなか業の深い人です。「恋はトラブルのあとに」はその実ドジっ娘萌えマンガで、贔屓目に見て超可愛いからみんな読むんだ。

21位  兄弟 −BROTHERS−  (成瀬芳貴)

  • この作品はスクエニらしい超大風呂敷をかなり上手く乗りこなしているのが面白かったです。まず設定ありきのファンタジーを読んで、こっちが白けずに真剣になれるかどうかは、通常読み手の親和性が物を言うところだと思います。自分はスクエニだと大抵それに失敗しているんですが、「兄弟 −BROTHERS−」は相性が良かったです。はやく次回作が読みたい。あと久米田夏緒先生と交流があるらしい。そういやガンガンWINGもパワードと合併してJOKERになるんでしたっけ。オンラインの方がずっと楽しそうだ・・・

22位  ルミとマヤとその周辺  (ヤマザキマリ

  • 最終的にランクインさせたものの中で、入れるかどうか最も迷った作品。内容で見劣りするわけではないけど、何というかランキングで目立たせることが作品の雰囲気とちょっとそぐわない気がして。「それではさっそくBuonappetito!」「モーレツ!イタリア家族」を買うほど好きな作家ではないというのもある。ヤマザキマリも最近はほんわらやビームでも仕事をしていて多少人気が出てきたのかな。ストレートな家族人情モノは褒めるのに勇気がいりますね。今作も、下手すると説教臭いマイルドな西原理恵子に成り下がりそうなところを頑張っているように思う。

23位  イヌジニン ―犬神人―  (室井大資

  • もともと堤抄子の「平安Haze」が読みたくてコミック怪を買っていたところ、同誌で連載されてたイヌジニンが面白いじゃねーか今までこういう人はいなかったねということで。ヤマザキマリ同様、ビームが早速目を付けたわけで、今はそっちのフェローズで連載してる「ブラステッド」の方が面白いと思います。この辺は流石ビーム。ヤクザ口調はヤクザが喋った方がいいよね。livedoorデイリー4コマの「妖怪研究家ヨシムラ」の方は全く評価してません。

24位  つぐもも  (浜田よしかづ

  • 幼女に風呂場でちんこをいじられる男の子の話・・・かな。ニコニコ動画に作業工程をアップロードすることで有名な人。HP見てても基本的に技術について真面目な人だなあと思ってます。真面目くさって後書きで「今後の目標は、登場する女性キャラ全て裸にする事です」とか言っちゃう人。どうしてこんなになるまで放っておいたんだ! 正確には、どうしてこうなった? の方が近いですね。経歴がちょっと特殊だからなのか、新人の初連載作として普通に想像するものとは、細かいところで色々違和感がある。1巻の感想はこちらWEBコミックハイ!も頑張ってね、ということで入れました。

25位  メイドいんジャパン  (おりもとみまな

  • ここでチャンピオン系列の作品をランクインさせると、昨今のチャンピオン好き共に与するみたいでヤダなあ、個人的にはチャンピオンチャンピオンと騒ぐ人にはもっと秋田女性誌を読んで欲しいのに。という抵抗感があったり。TMRの会誌の方で書いたんですが、“マンガは決して上手くないけれど、エロネタの持ち味をチャンピオンで生かすべく自分の居場所に必死で喰らいついていくおりもと先生は、尿と一緒に脳みそもだだ漏れしてる中嶋ちずなの百倍格好いいです。しかしそんな先生の安住の地を、次なる刺客・松本ドリル研究所が脅かすのであった……”  というのがランキングに入れた理由です。エロチキンレースとか、心底楽しんで描きたくて描いている人がどれだけいるの? それをお前ら、尿が出ればありがたやと騒いでいて本当にいいの? いちごは大丈夫なの? バカなの? というところで超踏ん張ってるのがおりもと先生です。水兵きき筧秀隆となグラ!)と競って一般誌でのエロエスカレートに率先して取り組んできた結果がこれだよ! ブームが本格化する前からチキンレースを続けている人だよ! スタンスの必死さが他とは違うんだよ! というメッセージがこのランクインには込められています。説明しちゃった。
  • あと、REDならもっとやりたいこと出来るんじゃ、ってそんなこともないんじゃ、ながの〜ん先生。

26位  エンマ  (原作/土屋計 漫画/ののやまさき)

27位  まんがグリム童話 オズの魔法使い  (かずはしとも

  • 個人的に08年になってグリム童話ジャンルを読むようになったので、その記念の意味もありランクインさせました。本作は巻数表記が無いですが、現在も連載中です。原作からのアレンジがかなり考えられてて面白い。そして2・3巻が同時発売決定! やったね。ぶんか社はやってくれると信じてたぜ。しかし完結はさびしいねえ。相当マイナーな部類のマンガなので順位は下げましたが、お薦めします。童話ジャンルだと、この作品と天ヶ江ルチカ先生が楽しいです。あと完全オリジナルですが、円山みやこ先生の「お見送りいたします 恋する葬儀屋(バイト)」も好きです。オズも出すんだし、おくりびとブームにかこつけてこっちも2巻出してくれ。完結したんだしさ。

28位  好きっていいなよ。  (葉月かなえ

  • 08年に葉月かなえに気付かなかった人は書店に行かなかった人ですか? という位に大躍進を遂げた人。「堀高ハネモノレンジャー」が平積みになってたのはびっくりしました。入れないわけにはいかないと思ったけれども、ランキングを作っていた1巻の時点ではそれほど好きではなかったので順位は低いです。でも2巻の最初の扉絵を見て、やはり力のある人だなと感じました。講談社デザート系列は今後もTLジャンルの取り込みと地位拡大に努めてもらいたい。

29位  桃もみもみ。  (佑希紀&担当編集 相○さくら)

  • 宙出版「Young Love comic AYA 」での連載10周年記念、巻頭カラー&表紙進出という快挙達成。いちファンとして非常に喜ばしかったです。今後もモラルの極地を行く濃厚激ハメ描写を期待しています。

30位  School Rumble&スクールランブルZ  (小林尽

  • まあスクランが強引に終わったのは仕方ないこととして、それでも終わらなかったのはマジ最悪なのでワーストとして取り上げました。


というぐあい。忙しく?しているうちに書くのがすっかり遅くなってしまった・・・ いつも以上に今回のランキングは難産で、自分の中でも入れる理由・基準が一本化されていなかったので、フォローをしないと後々見返したときに理解不能になっちゃうな〜と思いここに言い訳じみたものを残しておきます。マンガランキングは難しいなと、作るたびに思い知らされますね。
自分が納得のいく、手ごたえのあるものにするとどうしても内容がマニアックになる。こりゃいかん、何でもアリだと独りよがりにすぎる。もう少し制限をつけよう。自己縛りを入れた中で、テクニカルにキめることを目指そう。そうなると取捨選択がシビアだな。他を落としてランクインさせるだけの十分な理由を吟味していこう。むしろ、敢えて入れないことにも意味を持たせられるだろう。いかん、ただリストがあるだけでは傍から見てそんな動機は到底理解されないぞ・・・  この辺はなかなか良い解決案が見出せません。ほんとランキングは地獄だぜ。という楽しい苦しみがあるんですよという話でした。