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• 若菜光流『スプリングワルツ』

スプリングワルツ (カルト・コミックス sweetセレクション)

Sweetプチの看板だったのに、いまや絶対恋愛sweetの看板作家となった若菜先生。若菜ヒロインは大体が裏表の無い良い子で、ヒラヒラミニスカが似合う癒し系巨乳ちゃんだけど、男子はけっこーキャラのバリエーションあって面白いですね。『きみとの約束』からの長寿カップルである、ミホ＆ヒデハルのヒデハルはおかっぱで一見根暗っぽい造形だし、『食べてもいいかな？仔猫ちゃん』のしんたろーはピンク〜バイオレットの長髪で、おネエな雰囲気を彼女にも疑われてたし、『プレシャス・ラブ』のヨッさんはJKなんて苦手そーな貧弱リーマンだもんね。
今回の新刊に出てくるヤマトくんも、にっこりのほほんとした憎めないボンボンで、ヒロインの調子を狂わせるのが上手くていらっしゃる。天然アルカイックスマイルそのものなんだけど、捉えどころが無くて本心が分からない、でも時々見せる憂い顔がきゅんと来る、つかず離れずの距離感がじれったいですね。色々と作者の萌えを感じる。
通算14冊目の単行本も今までと変わらず、カップル・サブカップル達を主人公にした読みきりシリーズ単巻構成ですが、テンプレ色を感じさせずに恋愛話を楽しく眺めていられるのは、男子達の個性がアクセントになっているからではないでしょうか。色んな男の子が女子に甘えたり振り回されたりで仲良くなっていくのは、見飽きないなあ。しかし初出が2008年と相変わらず古い……TLジャンルの雑誌掲載→単行本化までのタイムラグには焦れっぱなしだよ。