『SCAPE-GOD』の総論から1文まるごと抜粋なんですが、

「萌え」や「セカイ系」といった文脈依存性の低い表現に対して、それ以前の文脈依存性の高い(=元ネタがあり、それがわかることが前提の)表現に慣れ親しんだ受け手が反発する気持ちがわかるだけの教養を既に身につけているが、逆に、文脈依存的な面白さでなく、「実感」をベースに作品を享受する受け手の感覚もわからなくもない。

5回読んでようやく、この文の主語が作者高遠るいなのだと理解しました。そう思って読むとこの文も作者の特徴をうまく言い表していているような。文脈依存性の高い・低い表現を好む上下の世代というのが本当に対立に存在しているのかは疑問ですが、作者が連載している(していた)電撃帝王やREXの読者層は分類するなら間違いなく下の世代。そういう人たちにバキのパロディが大喜びされているのは、下から上への世代反発は起こっていないとか、文脈依存性の高い表現が “ 「萌え」や「セカイ系」といった表現形式の前景化 ” によって必ずしも淘汰される運命にあるわけじゃないとか、そういう風に読めていいかもしれない。ただ、バキのパロディは単に作者がファンで好きだから面白く描いている以上の意図は無いと思うけど。
解説のゆうやくに敢えて乗るとこんな感想を持ちました。