• 原作/小池倫太郎 作画/村崎久都『百目の騎士』1巻
    • 『DARK EDGE』が終わり、ついに長期連載が無くなった(その時点での最長連載だった『ストレイリトルデビル』もすぐに終わった)ガオ!はVVVの人気でどこまで引っ張れるの、という超不安な先行きだったところへ始まったのが今作。うまいこと人気が出ればいいのだけど。しかし、単行本で読んでみるとどうも作品世界に乗り切れないなあ。サービスカットはあるのに色気が全然ないとか困る。原作と作画が良い関係になってないのが、妙に馴染めない雰囲気の原因じゃないかと後書き読んで思った。ガオ!としては士官学校の徒弟制でマリみてをアレンジしましょう的なコンセプトっぽい。それについては悪くない。ただ、もう少し感情の盛り上がりとか欲しいです。
  • 相田裕GUNSLINGER GIRL』8巻
    • 前巻からサンドロ・ペトルーシュカ編の続き。そういやこのマンガもフラテッロという設定。今巻は今までのガンスリ中最も出来の良い話だったと言ってもいいでしょう、単独で読んでも完成度が高くまとまっています。薬漬けと条件付けの救われない哀しさを背負っていた1期生の義体のエピソードから、浅いコントロール下で自分の言い知れぬ感情についてとまどい、悩む「余裕のある」2期生はどのように振舞うか、という新しい話は非常に面白い展開だと思います。完結させるのにあと最低でも5・6巻は欲しいですね。“サンドロ様を撃ったな!!”という時の条件付け反応での(確かヘンリエッタが全く同じ文句を言ってた筈)行動から、「くそったれのアレッサンドロ!!」と言うに至るまでの展開は素晴らしい。「好きなのに理由がいるか」の問いも上手い切り口。あとは真正面顔の描き方が克服出来れば完璧なんですが・・・
  • 荒川弘鋼の錬金術師』16巻
    • 北国だとオートメイルも不調だよ、てのは潤滑油が固まるのが一番の原因かと思ってました。キンブリーに続きグラマン中将なんてそういや話題にされてたっけ。さらに教主コーネロとレト教なんて1巻の話に言及してくる! どこまで伏線が好きなんでしょうか。
  • 加々見絵里『生物彗星WoO
    • 原作ドラマは『遠い海から来たCOO』みたいな話なんかしら。TMR雑誌特集で取り上げられるまで知らなかった作者さんだけど、正直絵は十分に(『会長はメイド様!』の藤原ヒロくらいに)上手いので超マイナー作品のメディアミックスなんて微妙すぎる仕事は不憫。個人的には「りぼん」読者にここまで売れ線な絵柄は勿体無いのではやくマーガレットか白泉社に行ってください。
  • 原作:佐藤大輔 作画:佐藤ショウジ『学園黙示録 HIGH SCHOOL OF THE DEAD』2巻
    • 早売りぽい。1巻に劣らず血飛沫とゾンビの饗宴。メカニックのディテールに凝った描写とお約束のサービス描写(但しサービスシーンの終わった人から死んだりはしない)は、佐藤大輔の書くB級ゾンビものにとても相性が良いのだなあと分かります。正ヒロイン(メインルート)よりも扱いの良い眼鏡っ娘やデブオタ君の溢れる博識もキャラが立っていてとてもよろしい。あと私たんフォントで「おしっこ」といわれるのはやヴぁい。そしてやたらモノローグの多い主人公は新海。
  • 赤衣丸歩郎仮面のメイドガイ』5巻
    • 早売りぽい。何度もこの作品の魅力については語っているし、この巻で新たな魅力が特に増えたわけではないのでそんなに書く事が・・・。「目が山なりにスマイルしながら怒ったり困ったり泣いたりする」という椎名高志先生が確立した手法の正当なる後継です。

  • 桜井美音子『星のやくそく』1巻
    • 別ハレこと別冊ハーレクインで連載中の作品。ハーレクインの掲載作は基本的に全てが「ハーレクインロマンス」レーベルの小説1冊を丸ごと100〜200頁ほどにマンガ化したものなので、1話完結・その1話で単行本化する。コラムページを除けば連載作はむしろこの『星のやくそく』だけかもしれません。別ハレ以外に「恋愛美人if」「微熱」「TABOO」「愛の体験Specialデラックス」「スペシャルaya」とかレディコミおばさん誌総なめする勢いで活躍中の作者だが、今作はその中では読みやすい部類じゃないかな、と思って購入。ギャグもそつがないし各話完結ラブストーリーもそれなりに読ませるじゃないか、と自分が思えるのはマイナー好き性分のなせるわざかも知れないが、加齢臭のする美麗絵柄を乗り越えれば意外に面白い世界があったり。
  • SHOOWA『Nobody Knows』
    • 待望の花音新人の初単行本。最初に掲載されている表題作から後ろに行くとどんどん内容がバカになっていく素敵仕様。個人的には未収録の「NoN Tea Room」(hanaotoキャピッ!06夏号収録)みたいなシリアス話が好きなのだけど。絵柄でもちょっと背景白くてサブカルぽくて顔をアップで描くと説得力があるのだからシリアスに向いてると思うんだけどなあ。そんなわけで新人青田買い好きのファンとして単行本化は嬉しいけど、というか異例の速さで単行本化してそこまで人気があったとも思えないのだけど、内容は少し残念。まあ色々リンクがありそうなので今後に期待。
  • 小笠原宇紀『BLACK SUN 奴隷王』1巻
    • 続巻が出ることを信じて巻数表記。今までの先生の作品と比較すると、あまりギャグがなくてエロ描写は多い。刀剣が多いのを除けば『熱情のヴィルトゥオーソ』に雰囲気がよく似てます。しかし連載してた「Guilty」(心交社)ではなく大洋図書からの出版。心交社はもうだめなんでしょうか。