• 吉野阿貴『ハートの王様』
    • 恋愛小説の漫画版でデビュー単行本を出したプチコミック新人さんの、オリジナル初単行本。働く女性と恋愛というプチコミ定番のテーマですが、新人らしからぬ描き慣れた絵柄で理想的な男性が魅力的で目に優しい。ただあまりにも美化されてて、車に乗せたら花屋を回ってバラを買い占めて渡しまくるとか、時々行動原理が常軌を逸している気もします。気もしますつーか全体的に押しが強い男ばっかでクドいかなあ。ポスト一井かずみというわけにはいかないか。
  • basso『amato amaro
    • 大学生協早売りぽい。今やすっかり萌えマンガ家になったbasso先生、と思ったが中身を読んでみたら、掲載雑誌の方針なのか感想しづらい内容になってました。スタイリッシュなようなヤマ無しオチ無しのような、ずうっとbasso先生の絵を眺めてるだけのような。1コマ1コマの顔が実に印象的でうまい。えすとえむ・黒娜さかきといったフォロワーにこのタッチは出せまい。でも力を抜くところがないと読んでいてちょっと息がつまるかな・・・まあストーリーは空気だしこれ以上BLマンガ家としてのbassoに望むものはない。むしろこの空気がファンの望むbassoのマンガなんだろうなあ。サブカル最前線である「EDGE」編集部は人気作家で売り上げ伸ばして有望な新人を沢山見つけてください。
  • 鈴木ツタ『あかないとびら』
    • デビューして2年になる麗人の人気新人さん。収録作に穴があるのがちょっと残念。この単行本では攻め受け両方の視点から1話ずつ話を進めるスタイルがなかなか面白かったです。視点が変わった時のギャップが新鮮でした。ところどころ展開が徹夜明けテンションのような暴走になってたり全体的にエロい露出が増えたりと、前作『hand which』に比べればいくらかパワーダウンは否めないかな。しかしマガビ編集部よりも麗人はずっといい仕事してるとは思うので、今後も趣味に走らないよう気をつけながら良いBLを描いていってください。CharaSelectionはどうなのだろう・・・?