2007年ぶん


言い訳を兼ねた前書き。このランキングはTMRの会誌49号に載せたものと同一で、2007年1月1日〜11月30日に雑誌掲載(読み切りも可)されたor単行本が出版されたマンガ作品を対象(ただし復刊された作品、コンビニ売り単行本、同人誌は×)としています。12月分が全て抜けているのは集計から同人誌作成して冬コミに出すまでに必要な時間だから。
あちらでも触れましたが、自分の内訳は上位27作とワースト3作。ワーストを入れるのは30作も思いつかないから・その年度のマンガの中で出来不出来とは関係なく注目すべきだから・つまらないマンガを積極的にこきおろすことはマンガ界を活性化させるための必要悪的行為に他ならないから・とても面白いと思って入れても30位付近は相対的につまらないという印象が生まれてしまうので、きっぱりとつまらないと言える作品にすれば良心の呵責から逃れられるから などなどの理由全てが含まれます。


30作をアマゾンのベストセラーから引っ張ってきてもいいんですが、どう考えてもそれは人倫に悖る行為なのでもう少し工夫します。とりあえず前年度のランキングで出した作者は除外、1つの雑誌から1作品のみ、1人の作者から1作品のみ、07年度に読みきりが掲載された・連載が始まった・連載が終わった・単巻もしくは第1巻が単行本化された作品のみに限定します。ついでにBLとTLジャンルの作品も除外します。このくらいの制限を入れるとランキングを作っていても楽しい反面、30作考えるのは結構難しくなります。独りよがりになる傾向があるので、単行本化されたものを優先し、更に雑誌掲載時には読んでおらず単行本の形ではじめて存在に気付いた作品を少し優先します。というわけで。

  1. 杉山小弥花 『当世白浪気質〜東京アプレゲール〜』
    • 単行本化直前に気付いた作品。感想はこちら。今はこれ以上語れないのでとりあえず買おう。
  2. 吟鳥子 『鎖衣カドルト』
  3. 中村光 「聖☆おにいさん
    • モーニング2からは縛りを破り複数作入れました。本当はTAGROオノナツメも入れたいくらい。ファンタジウムと合わせて4作のうち、完全にイチからスタートしている2作品が残りました。サイン会行かないと。
  4. 原作:佐藤大輔 作画:佐藤ショウジ 『学園黙示録HIGH SCHOOL OF THE DEAD』
    • 上位はなるべく各ジャンルから広く入れようと言い訳めいた動機によって、B級ホラーがこの位置に。娯楽性の非常に高い一品。
  5. 堤抄子 『エスペリダス・オード』
    • 単行本化ではじめて気付いた作品その1。今までスルーしていた自分が許せない位にハイレベルなファンタジーですが、反省も兼ねて『アダ戦記』を読んでても面白すぎる。もう二度とスクエニ系ファンタジーをバカにできない。
  6. 吉永龍太 『チノミ』
    • アフタヌーンからは『呪街』と迷うところでしたが、より突き抜けて才能溢れているのは明らかにこちらの作者なので。でも最新号の呪街は今までで一番面白かったです。感想はこちら
  7. 杉本亜未 『ファンタジウム』
    • モーニング2より2作目。独裁者グラナダまだ読んでないや。諦観に近い冷めた視点を持った主人公の子供の描き方がとても上手いですが、普段着はジャージだったり家族と離れて赤の他人のお兄さんをパトロンにしている設定はそれ以上に垂涎モノ。
  8. 塩野干支郎次 『ブロッケンブラッド2』
    • 何故第2作を入れるのかとTMRからもっともな指摘を受けましたが、単に1作目の時に入れ損ねたからです。勿論1作目より数倍面白いです。塩野先生は本格ファンタジーも悪くは無いが、しかしギャグに徹するととんでもなく上手いので困る。
  9. 小玉ユキ 『光の海』
    • 『羽衣ミシン』との2択でしたが、どうみてもこちら、特に第1話が完璧でした。
  10. ろびこ 『ボーイ×ミーツ×ガール』
    • 単行本ではじめて気付いたその2。正確には作者名は前にチェックしてたけど表紙の悪さにスルーしていたという自責点込みです。ポップなのに幻想的な画面の飾り方がとても好き。
  11. 地下沢中也 『預言者ピッピ』
    • 単行本化のお知らせを受けてからも長かった、伝説化しかけた大作。この単行本の刊行が07年最大のニュースだと考える人もいるんじゃないでしょうか。コミックキュー仕込みの刊行ペースで今世紀中に続巻が出るか注目です。感想はこちら
  12. 長尾謙一郎 「ギャラクシー銀座」
    • 週刊誌枠からは「犬のジュース屋さんZ」と迷・・・わずにこちら。おシャブは正しく臍口摂取を心がけましょう。
  13. 佐藤かおる 『Catalogue Noir』
    • 単行本で気付いたその3。ネムキは読んでいたつもりだったが、森川久美だと勘違いしてスルーしていたのかな。渋い絵柄でソツなく連作を仕立てて新人離れした安定感のある人。サービスカット(?)も何とも言えずエロいんですが、この人エロマンガ描いてたって噂は本当でしょうか。
  14. 五十子てん 『マニアック★ラブ』
    • ayaはTL誌ではないのでセーフ。五十子先生は前年度ランキングにも入れて縛りを破りました。この作品についてはちゃんと別個に感想を書きます。
  15. 渡辺静 『CHIMES』
  16. 桃山あんず 『キャッスルかごめ荘』
    • 単行本ではじめて知ったその4。りぼんの枠組みでここまで面白く描けるんだなあと非りぼん読者が思い知らされました。感想はこちら
  17. 押切蓮介 「ミスミソウ
    • ホラーに笑いのニュアンスを上手く取り入れた押切先生が、とことんまでホラーに徹した衝撃の作品。連載開始ですぐに反応出来たのがちょっと自慢。
  18. カトウハルアキ 『ヒャッコ』
    • 07年を代表するエッジの効いた人。
  19. 萩原いぐさ 「光のしずく」
  20. 箕野希望 『キミがダイスキなんだ』
    • この作者と桃山あんずについてズイケンという人から太鼓判を貰ったので自信を持ってお勧めします。
  21. かぢばあたる 『御剣ハルカ危機一髪!』
    • 1つのプロの姿を見ました。
  22. 乙ひより 『かわいいあなた』
    • この辺りから、下位で落ち着くに相応しい作品になってきます。
  23. 小林尽 『夏のあらし!』
    • テンプレをさらっと描いてウザくないのが小林尽の上手いところ。
  24. 一井かずみ 『雪はかの人の夢を見る』
  25. 冨樫義博 『HUNTER×HUNTER』
    • 話題性には事欠きません。週刊誌から1つだけのランキングもさみしいし。
  26. 山田秀樹 『魔乳秘剣帖』
    • 単行本で気付いたその5。こんちき堂の人だと気付かなければ入れませんでした。
  27. 本井広海×本澤友一郎 『すてんばいみ〜!』
  28. 大塚英志×騎崎サブゼロ 「三つ目の夢二」
    • ワースト3。
  29. 喜国雅彦 『日本一の男の魂』
  30. 画・志水アキ 作・奥瀬サキ 『夜刀の神つかい』
    • 07年は奥瀬サキ原作の荒れっぷりにファンが絶望する年でした。

入れようか迷った作品:
中村明日美子『ばら色の頬のころ』
ひさわゆみ『あなたでいっぱい』
タカハシマコ『乙女ケーキ』
猫田リコ「リコりんの大阪なんでやねん日記」
シギサワカヤ『九月病』
室たたの読みきり
樋口彰彦『ルー=ガルー』
木村紺巨娘
TMRのランキング提出は11月末でしたが、仮に巨娘の単行本がそのとき出ていれば入れたと思います。