• 阿仁谷ユイジ 『ミスターコンビニエンス』(東京漫画社 MARBLE COMICS)
    • 1冊目の『喜劇は恋で進化する』はなんとなく感覚で回避してたんですが、第2作はちゃんと読んだら面白かったです、すみません。東京漫画社の近刊はちょくちょく買ってるんですが、「MARBLE」創刊当初の執筆陣が割といいレベルでモノになった感がある(この作者も含めて)のに対し、第2波はいまいち手ごたえが無いのが少し辛いっす。まあカタログシリーズは全然読んでないので単行本だけで評価するのも早急ではある。「ポラリスベル」の続巻は凄く楽しみにしてます。松尾フク子はもう描かないの?
    • ということで作品内容に触れると、登場人物のなまめかしい生臭さがBLの定番からは外れるけれども独特のリアリティを持ってて読ませる。乙女系というか若干女々しいのがある種残酷というか。エロも同じく、いじり合い&顔射を中心にフェチ入った行為が読み手を選ぶけど気合入ってて自分は好きです。処女作は未読なので分からないが、ネガポジ反転の演出や心象風景に近いダウナーな背景トーンの使い方は、この話の本質的な暗さをよく表してて上手いと思った。
  • 著者/曜名 原作/リズ・フィールディング 『恋するブライズメイド』(宙出版 エメラルドコミックス ハーレクインコミックス)
    • 日本ハーレクインコミックに無くてはならない存在として議論の余地が無いところの曜名先生ですが、最新単行本は今までの中でもギャグ濃度が高くてその神髄がよく表れているように感じました。ヒロインの顔が10コマに1度くらいの割合でアヒルになっているのは本当に面白い。ハーレクインとしての原作は可もなく不可もなくといったところ。
    • 最近は4コマ誌方面への転身フラグを(結果的に・あくまでも極私的に)立てつつある曜名先生だが、その辺はハーレ愛の強さにかかってくるのかなあ。ウンポコ辺りと物凄い親和性がありそう。
  • 著者/桜屋響 原作/ローラ・ライト  『甘い週末』(宙出版 エメラルドコミックス ハーレクインコミックスCUTE)
    • こちらはイキの良いハーレ新人さん。まだ雑誌掲載は2作のみのはずだけど、デビュー作(第9回ロマンスコミック大賞佳作)をそのまま単行本化してるんだから結構期待視されてるんでしょうか。というか、新人がいきなり大賞応募に向けてハーレクイン原作小説のコミカライズを描くことを決意するというのは超ハードル高いので、編集部の意向あっての結果なんだろう。
    • 巻末にオリジナルの描き下ろし4コマなんてマンガ家側の自己主張は、ちょっと前の宙ハーレでは考えられなかったけれど、「この作品が好き」のメッセージが出ている分だけ読んでいる方としても嬉しい。桜屋響も結構ハーレ愛の強さを後書きでうかがわせているので、今後も精力的な雑誌掲載に期待したいです。クセの無い絵柄でとっつき易いし、女の子がちゃんと可愛いのが好感度高い。

HQコミックスの方ではあまねりつかこと前田英紀がこの先頑張ってくれるんだろうか・・・?
あまり参考にならなそうだけど自分として気にかかってた分の感想を古い方からしょりしょり。