• エディス edith vol.1
    • やごさんから購入しろという圧力を感じつつ。センチメンタルスクールボーイズラブアンソロジー「エディス edith」です。まんだらけ出版が何を血迷ったか突如発行したBLの学園アンソロ。作りが結構面白いです。インクの発色(?)がかなりクリアで、表紙加工も金かかってる感じ。一番特徴的なのは、大判単行本のかっこうなのに天アンカット製本になってる(新潮・岩波文庫のように本の上部がガタガタになってる)こと。マンガ単行本・マンガ雑誌でこの製本になってるのはかなり珍しいと思います。そうでもない? 印刷所:有限会社プレストP.S. 製本所:ナショナル製本 というのがどういう立ち位置なのかとかは流石に門外漢ですけど。いやーえれえ面白いっすね。
    • まあ、外側に比べて中身はそれほど面白くなかった。CRAFTとゼロサムを足して10倍希釈するとこんな感じかなあ、でも両方に失礼かも、みたいな。まんだらけは女性向け同人の売れ線に業界一目ざといんじゃないか位に思ってたんですが、割と普通だった。ふゅーじょんぷろだくとの方が弾数はあった。まんだらけと同人作家の利害関係って通常協力方向にあるのか怪しい気がするし、描ける人は知っててもアテには出来ないとかかしらん。
    • キャリアの藤本ハルキや今が旬と思しきさかもと麻乃がいる中で、先頭に据えられた雨隠ギドがもしも手付かず無名の新人だったらまんだらけの嗅覚が凄いと驚くところなんだけど・・・他社でちゃんと単行本出してるし。青井(青井陽)もふゅーじょんの「Baby」で描いてる人だし。もっと全然知らない掘り出しものの凄い布陣かと内心で身構えてたけれど、作家メンツで自己主張するにはちょっと中途半端だった。個々の作品も色々言いたいところですが、そっちの不満は同人作家にお題「学園」だけ与えて、ノーフォロー丸投げで続きもの同人描かせてシリーズアンソロと言い張るまんだらけはマンガ誌なめんなというのに尽きる。さかもと麻乃が唯一読みきりを描いているのがとても良心的に見えて仕方がない。カバーデザインとミギー大先生のカラーピンナップで値段の5割を取っていくような作りは褒めるのが難しい。というか編集方針に従って連載としての体裁が作られた上の計算ずくでこの内容に仕立てたのだったら逆に凄い。

フォローにならないフォローとして、次号からは多田由美・宝井理人・笹井一個が出てくる(そして河井英槻は出てこない)ので、この号を実質お試し準備号と思えばそんなに騙された気分にもならなそう。絵柄は統一感が出てて良かったです。多治見氏の嗜好自体は「このマンガを読め!2007」の時から好きなので。雑誌制作を1人に丸投げするまんだらけがそもそもどうかしてる。