知っている人は1年以上前から知ってたらしいんですが、青林工藝舎オルタナティヴ・コミック誌「アックス」から、今年の7月に"Ax (Vol 1): A Collection of Alternative Manga"として英語版のアンソロジーが出るんだと。
http://www.topshelfcomix.com/catalog/ax-vol-1-a-collection-of-alternative-manga/645
発売元はTop Shelf社。個人blog(?)によると掲載作一覧はこちら


リンク先blogのコメント欄で
KAZUICHI HANAWA?! YES!!!!!
what an incredible artist is Mimiyo Tomozawa!
Nishioka Kyoudai!!!! they are so great
とか歓喜している海外の読者さんがいて、なんかもうすごい。君たち一体どこの遠くから来て、そしてどこの遠くまで行くの?


2009年に海外ではYoshihiro TatsumiDrifting Life(邦題:『劇画漂流』)が人気を博して、米amazonTop 10 Books: Comics & Graphic Novelsで8位に入ってたりする。それ以前から海の向こうでは何故か知らんが劇画系やらアングラでカルトな感じのサブカルコミックが一定の評価を得ているみたいで、前述リンク先のコメント欄のように、アックス作家に精通した海外ファンというハイスペックな人種が出来ていたりする。その辺の事情にはid:boxmanさんが記事アメリカの日本マンガ市場は煮詰まっているで見解を述べていて興味深い。


傍目にはサブカルが三度の飯より好きなグラフィックノベルマニアが、英語に飽き足らず日本マンガを渉猟しているうちに、これ以上望むべくもないマイナーな地の果てで悪い冗談のごとき魂の邂逅に至ったように思えてしまう。アックスのマンガがこの世で最も素晴らしい芸術作品に思えるのは、人生の若いごく限られた時期だけではなかったのか・・・? まあそんな本音はさておき、アックスが海外上陸せんとしているのは、そうした人気が背景にあるのだろうなーという話。
そう思ってみると、表紙絵が劇画臭皆無な近藤聡乃なのは濃厚なサブカルファンというよりもう少し広いアートファン層にアピールしたいという狙いもあるんだろうか、とか、中野シズカクリハラタカシ鳩山郁子が掲載作家に入っていればもう少し多様性とか出せたんじゃないの? とか。関係ないが中野シズカは夏に単行本まとまるらしい。


無国籍的な絵柄としては島田虎之助なんて人気出そうなのに英訳単行本出てないんだなーもったいない。
それはそれとして、昔はトムズボックスで絵本飼ったり個展に行ったりもしていたので、西岡兄妹が好きだという外人さんとは多少語れる話題もあるのではないかという気がしてくるね。