• bianca(ビアンカ別冊マーガレット volume.1
    • 別マTWOというのもあって集英社マーガレットは最近押してきてるわけだが、遂にジャンル:アオハルにまで進出してきた。マーガレットの実力派中堅作家を揃えて、YOU/Cocohanaからも少し抜擢した上で召喚さよならポニーテール。そんないいとこ取りだけなんて許されるのか? ああん? という感じでした。アオハルと違うのは、自社デビュー済の未単行本化作家登用の多さという点で、誌面の雰囲気はかなり似せてきているものの、中身はがっちり内製化していて感動しました。系列誌を相当やり込んでないと出てこない人選です。作家の事よく見てるね〜君たちっていうか自分はここまで把握出来てなかったので創刊誌を読んで久しぶりに負けたと思いました。創作同人イベントを頼らないと首が回らないマニア青年誌とは違うのだよ! 少女マンガは未だ自誌ブランドの砦が堅調(だから雑誌も面白いよ)という例証になってます。
    • その反動なのか、羽柴麻央や香魚子など一定の男性読者層にも受容されている作家がいるものの、全体的にはあくまで女性向けでマーガレット系列読者に留まっているのも印象的でした。イメージキャラクターやってる渡辺カナはオーガニックなあざとさが滲んでるし、四コマ担当の城綾音も間口は広く取れそうなんだけど、敢えてそこまでやる必要は無かったということか。水野美波がいつものように男子四人のつるみを描いている一方で、中原アヤが妙に気を回してか中年リーマンを主人公にしているのが面白かった。水野先生は一人で角川女性誌のオーラを出してました。
    • 如月園、小森羊仔、湯気のじん 湯木のじんを連れてきたのはマジでびっくり。リソースの把握してるね君たち……。安藤ゆき・吉井マリという単行本作家に至っては完全に意識の外からぶっこまれて、ちょっと負けを認めざるを得なかった。次号は是非Cocohana創刊で憂き目を見た藤田律を引っ張ってきて下さい。その他フレッシュ作家の四元シマコと毬井みにいは男性層からも抵抗感無い非常に可愛い絵柄で、やはり総合的に見て今は少女誌が強いなあと感じた。
    • 巻末に位置する香魚子先生はページをめくった途端殺意を覚えるほどのフックで、その後の綺麗なルアーとリール捌きは感動でした。つい嫌味っぽく書いてしまったが、持ち味をしっかり出した上で分量もあり、掲載作の中でも一番良かった。最後にこの中編があるか無いかで満足度はかなり違う。

というわけで、少女マンガ誌の格の違いを自分はひしひしと感じたので、皆読んでみたらいいと思います。残念ながら青年誌よりも別マやCheese!やデザートやLaLaの方がずっと継続力あったという事実がここに来て表面化してきている、みたいな。フレンドさんはまだ来年だったかもしれない。あと雑誌のMVPは、BALCONY. BALCOLONY.の染谷洋平でいいんじゃないかな。女装して警官に囲まれたという編集後記はウェブ上で言及しておきたい。