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最近行った展覧会:
- 山寺 後藤美術館コレクション展 バルビゾンへの道(Bunkamuraザ・ミュージアム)
- 風景画! 俺特! という意気込みで観たが、会場での「バルビゾン派」についての説明は殆ど無く、風景画も全点数のうちで4割未満だった。イメージしてたのとは違ったが、最初の宗教画・神話&文学モチーフ絵画が思いのほか親しみやすくて良かったです。みんなイケメンだし。アレクサンドル・カバネルの《デズデモーナ》のジト目っぷりが際立っていた。エロいんですわ。その後の肖像画コーナーでのエティエンヌ=アドルフ・ピオ《花売りの娘》とか、心が汚れているので正視出来なかったね。
- 肝心の風景画では、アントワーヌ・シャントルイユの《黄昏》が一番好き。目玉であるコローは宣伝だといい感じだけど、前景に木の枝がめぐらされてる配置が好きになれなかった。コローの風景画は大体そんなんみたいだけど。
- ターナー展(東京都美術館)
- ターナーって水蒸気が立ち込める海景のイメージが強かったが、晩年になるまでは割と普通な船や海を描いていた。解説からはターナーの上昇志向の強さと、適当さ・空気の読めなさ(実際の建築物配置を大胆に無視したり、国威掲揚の依頼作に海難事故の絵を描いちゃう辺り)が伺えた。空回りして不興を買うタイプか。風景画では《アムステクとヴァッセンを結ぶサン・ゴッタルド街道、ロイス峡谷を見渡す》や《バターミア湖、クロマックウォーターの一部、カンバーランド、にわか雨》が良かった。晩年のいわゆるターナーのぼやっとした作品は少なかったが、《平和―水葬》は格好良すぎてやばい。
- それと意外に水彩の習作(カラー・ビギニング)が面白かった。抽象画っぽくもあり、素早いストロークでちょっとだけ色乗せて全体の光景が浮かび上がってるのには東洋ワビサビな雰囲気もあり。