それはかえって不健全だよ?

しょーこさん(+ズイケンさん)の推薦により鈴木有布子『旬』を購入。連れ子持ち同士の再婚後に両方死んで後に血縁関係の無い姉と弟が残される、という、まあよくある話なんですが僕はそういう設定は初めてでした。はい、茶化してます。とても面白かった。絵柄は碧也ぴんくあとり硅子寄りかなあとか、内容は僕の好きな朝丘みなぎ『パセリ』に通ずるものがあるかなあとか。万人に自身を持って薦められるマンガだと思います。『罪と罰』の印象が強くて、なんか表紙の人相の悪い精霊っぽいのがどうも引っかかって買う気になれなかったんですが、今度そっちも買おう。そこらのいまどきの少女マンガよりもずっと正統派の力があるとかなんとか、1人で納得。


キーパーがCCBさんやプイさんと渋谷会館で格ゲー。よく分からなかったがキーパーは強かったみたい。となると、ときどさん(アルカディアにも載ったAZ生、同学年。面識はほぼゼロ)はどんだけ強いのか・・・もしかしてその道では有名人なのか?キーパー、格闘維新頑張って。


近藤聡乃『はこにわ虫』が読んだ。あれ?こんな小さくまとまっちゃう作家だったっけ・・・というかコミックHで昔読んだ「美しい街」「てんとう虫のおとむらい」の他は面白くありませんでした。要は10ページ以上に渡ってないと単なる気分マンガで終わってしまうので残念でした。「おしゃれ」や「虫時計」は削って「ヨーローケイ国」を収録すればよかったのに、とも思った。今挙げた3作は好きだしセンスはいい人だと思うのでアックスで頑張ってほしい。昨日やごさんにあげますとか口走ったが、よく考えれば貸す方が健全な気がするのでお貸します。あと作中に出てくる爪切りは親が僕の誕生日に買ってきて今もバイオリンケースに入ってる。


綿の国星』が普通に肩すかしでした。この作者は人が震えたり硬直してるのと、猫が跳ね回ってるのは描けないんだ、というのが読み始めて思ったこと。致命的な気がします。猫が描けないから擬人化したのか、と思われても仕方がないと思う(多分それはない)。猫は色盲なのでラフィエルの緑の目とか分からないはずとか何でカモーンは英語なんだというのは詮無いことだが。当時は今より英語それ自体に力があったのかな。美津子さんも初対面の相手に自分が私生児だとかは云わないと思う。しかもその設定、後に全然生かされてないその場限りだし。読み終えて思ったのは猫さんかわいいっときめいちゃうよねっが主眼にある悪い意味での萌えマンガであって、つーか僕にとっては「やおい」でした。この作者がやりたいことは見開きで情感溢れるイラストを出すことで、多分ファンもそれが見たいんだと思う。思いつきで出てきた話をそのまま原稿に移してるように僕には思えて、提示されたものが最後に収まってないのがとても落ち着かないのも好きになれません。まあそんなわけで今後大島弓子は特別視する必要もないか、と。24年組とか7、80年代への言及はまだまだできませんね。生協食堂で読み終わって久しぶりに生ゴミ入れのとこに捨てる衝動に駆られたんですが、マンガ史的な価値はあるのかもしれないと思ったので踏みとどまりました。「綿の国星 つまらない」でヒットした(一番下)。へー。