「あんたが前云ってた失踪日記ちょっと読んだんだけど」ということで母親とその話で盛り上がった。前に僕が書いたようなことを言い合ったんだが、結局のところマンガじゃなくても面白いだろ、となった。文章でこんな内容書かれてもパッと見読む気が起きないだけだろ。でも「このマンガを傑作だなんて云うなら今のマンガ評論がいかに以下略」なんて文句は、日頃マンガ読んでる人からは(僕を含め)ひっくり返っても出てきませんねー。


ただ、このマンガがわりと売れ行きがよい(10万部突破)ということは看過できないし、同時に不思議でもある。最初に失踪日記を持ち上げたいわゆるマンガ評論の人達は吾妻ひでおのそれまでの著作を知っているわけだが、今現在のこの人気っぷりには僕らの世代、つまり失踪日記が初めて読んだ吾妻ひでおのマンガだという世代が明らかに関わっている。何でその世代がこのマンガを読んでそうまで人気になってしまうのか/積極的に受け入れられるのか、というのはとても不思議な気がするのだが…


1つの理由としては読み手を選ばない読みやすい絵柄じゃないかと思う。実際に僕らの世代(20歳前後)での購買層が不明なので何も分からないに近いけど、でもうちの大学生協で書籍全般での売り上げTOP5に入ってるってのは、何かあるよなあ。推量でしかないが、普段マンガ買わない人がこれを読んでると思うんだけど。もしそうならこの絵柄は間違いなくプラスに働くだろうし…大塚英志がその「なんだかよく分からない層」に狙い定めて大当たり出したってことなんだろうか。


このマンガ自体色々凄いのは確かだけど、それは今までのマンガ家吾妻ひでおが凄いからというか…。よく「あああ」とか云いながら目が泣き笑いして修羅場ってる顔が出てくるが、このコマ1つでどれだけ虚構と実話の境界が揺らいでるんだろう、と思った。今月のビームの金平を読んでそう思った。流石金平! 俺たちが内心期待していたことを平然とやってのけるッ


すヾしろ日記いいぜ! あと失踪日記面白いって云う奴は他の著作に手を出してみようぜ!