• 藤原ヒロ『会長はメイド様!』2巻
    • あれ、こんなエニックス腐れな話だったっけ? もう万能強キャラのイケメンがギャグみたいな展開を押し切ってしまうストーリーになってしまった。料理も出来る!チェスも出来る!タラシぽいけど一途!軽そうだけど本当は優しい! そんなキャラ設定だけのマンガ…。それでも絵は好みだし、ヒロインが男装にハマるエピソードなんかはオタク臭くともノリの良さが楽しいけれど。でも巻末の脇役対談ノリには涙が。初単行本を同時に出した他の2人では、萩尾彬はこんな低レベルなとこに落ちてないといいなあ。ふじつか雪はその辺とは無縁な気がするけど。『金魚奏』も完結したらしいです。
  • スタニスワフ・レム『砂漠の惑星』
    • 購入動機:解説が上遠野先生だから。6年前に遭難した最新鋭の宇宙船の謎解明のために、同系の宇宙船「無敵号」が未開の惑星に降り立つ、という話。原題「Niezwyciężony」は “無敵” だそうです、となれば中2でもそのネーミングは無いわ、とは言わせない。SFでミステリな感じ。謎だらけの砂漠の惑星を舞台に言い知れぬ不安感がじわじわ。前半分はその謎の提示が実に面白かった。後半は1つ仮説が出てきたのがその後覆されることもなく進んで、ちょっと意外性に物足りなかったかな。「宇宙に地球外生命体がいるってことは、宇宙がヒトのためだけに存在してるわけじゃないんだから何でも人間が自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね・・・」という本間丈太郎なメッセージが響く。上遠野ファンとしては色々なところで上遠野先生の著作と通ずるものを(勝手に)感じ取って楽しい。『紫骸城事件』の雰囲気がよく似てます。とりあえず最近読んできたハヤカワで一番面白かったので、ソラリスも読むことにしました。